【カゼ】

★ ★ ★






ふと
君の匂い
僕は立ち止まる


穏やかな草原の さわさわと囁く声
柔らかな日差しと 淡い空の青
どこにも
どこにも
君の姿はないのに


足を止めた僕に
そっと
背を押すなにか
ああ
そうだね
そういうことだね


僕は笑って
また 歩き出す
永遠にも近い
果てのないこの道を


そう
君はいつでも
僕の背中を押してくれた
迷って悩んで
一歩を踏み出す勇気に欠けた僕を
そっと支えていてくれた


ふと
君の匂い
僕は 君と共にある







<Comment>
優しい風も、暖かい風も、甘い風もあるはずなのに。
“風”を思うとき、胸が締め付けられる思いがします。
いつになっても消えないのです。
背景画像はイメージに合うものが見つかりました。


★ マニア向け ★
「焔・風・地」のくくりでトライアングル。
レイのルックへの思いです。
未だにダメですね…。
自分の書いた話でさえ、涙なくして読めません。
自分の書いた話だからこそなのでしょうけれど。
それは、紛う事なき自分の心だからです。
素直に叫んだ自分の声だからです。