【イカヅチ】

★ ★ ★






唸り声をあげる空は
泣き出すのをこらえている
胸に溜めたものを
抱えきろうとこらえている


僕は それを見ていた


やがて
夏を貫く光が落ちて
一瞬で掻き消えた
それは
短かった夏の
過ぎ去った思い出のよう


刹那の 輝きと
瞼に残る 残像


僕は それを見ていた
雷







<Comment>
雷…雷。
放電による自然現象…なのですが。
そのイメージを考えていくと、「つらぬくもの」というフレーズが出て来ました。
そして、一瞬の光。
怖いものでありますが、美しいものでもあります。
そんなところからこんな詩になりました。