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僕の心は どれだけ君に届いただろう
僕の声は どこまで君に届いただろう
もう たしかめられなくて
空振りしたままの手のひら
この世界にあるという 掟も宿命も
このまま 握りつぶしてしまえたら
指 切れて血があふれても
骨 砕けてしまっても
腕 失くしてしまっても
君がいない この痛みに比べたら
ああ 世界よ
そこに秘められた 意味よ
隠された 真実よ
僕を止めるというならば
止めてみるがいい
君を消したこの世界を
君が愛したこの世界を
僕は愛しながら 憎んでいくだろう
世界を壊したら
どんな音が するのかな
それは
僕が
消える音 かな
<Comment>
他庭園におけるノベル連作、
「ゆくえ」連作の一部。
世界を愛していながら
世界を壊すしかなかった、その選択肢。
その意志を継ぐことが…ひとつの答えを導き出したりする…。
にしても、好きな人がいなくなるのって……なんだろうこの空虚さ。