2003年 3月 7日
in 渋谷 Club eggsite
出演者
吉良知彦−Tomohiko Kira−(Vocal・Guiter・Keyboard)
1.桜
2.オハイオ殺人事件〜The Murder Case in Ohio〜
3.夢を見る方法
4.遠い音楽
5.光の庭で
6.マーブル スカイ
7.小さい宇宙
8.かえりみち
9.星ぬ浜
10.休まない翼
11.Mother
12.COLORS
13.Tears
14.Still I'm fine
15.Tin town
16.Play your days
17.ねむれないよるのうた
(アンコール)
18.EASY GOING
(アンコール2)
19.ブリザード・ミュージック
さて…。待ちに待ったひとりザバダック! 吉良さんがひとりですべて担当するという…ものすごい試みだなぁと思うのです。普段はサポートの方(というかほぼメンバー)が2人から6人、大勢でわいわいやるライブが多いのですが…。はて、一体どんなライブになるのでしょうv
かくしてやって参りました、渋谷の地。なぜかこの地に足を踏み入れるのは冬とか早春とか、なんだか「寒い」と記憶に残る時期が多いのは…気のせいですかねぇ。
やはり今日も寒い…。前日から天気予報とにらめっこでしたが、やはり雨もしとしとと。その小粒の、霧吹きで吹いたような雨もさることながらなにより風が強い。傘が雨よけというよりも風よけの様相を呈しておりました。たぶん手袋を忘れていたら大変なことになっていたでしょう…。
わたしは公園通りの頂上で白い息を吐きながら「……彩華さんがいたらなぁ」と思ってました。何てったって奇跡の晴れ女、彩華さんですからね。この前のディズニーもこれでもかってくらい晴れたもんなぁ。…それにしても、ザバのライブって…傘を差しながら寒さと戦うことが多いのは………気の…せいですよねぇ?
わたしはぴあチケット。このClub eggsite(旧渋谷Egg-man)はチケット発売日に店頭でも販売するのですが、そっちの方が整理番号早いんですよね。まぁ…それでも…50番台だったので、いいか。
とにかく、久し振りの会場です。Club eggsiteと名称を改めてから初、ですね。とりあえず暴れてもうしろの人に迷惑がかからない、1段下の一番後ろをキープ。あぁ、うしろの方だなぁ…とか思っちゃいますが、それでも前から4列目。しかも舞台まで3メートル強、ってところじゃないでしょうか。ライブハウスだから、うしろの方でも近いんですよね。
それにしても…舞台においてある機材にドキドキ。ギターが2本…と、キーボードとシンセサイザー(?)。ディスプレイでは周りの音にあわせて線が踊ってる…なんて言うんでしたっけ、あれ(←疎い)。
1. 桜
From 『桜』
会場がまだざわめいている頃、吉良さんが舞台に。それから会場のライトがすぅっと暗くなりました。吉良さんはまずシンセに……すると画面に見慣れた林檎マーク。あぁ、そうか、吉良さん林檎ユーザですもんね。わたしは根っからの窓派(というか林檎まったくわかりません)なんですが。たしかに、画像や音楽などの芸術系に関して、窓(Windows)より林檎(Mac)だっていいますね。
そうして、吉良さんがキーボードの前に座りました。吉良さんのキーボード……何年か前のライブで、公子さんが出産のためにライブをおやすみすることになった最後のライブで弾いたのを見た以来でしょうか。何が始まるんだろうとドキドキしていると、シンセが奏で始めた音楽は……「桜」! うわあ、生で聴いたのはもしかすると初めてかもしれません。8分以上にもなる長いインストルメンタルでも、まったく飽きないのが不思議…。
2. オハイオ殺人事件〜The Murder Case in Ohio〜
From 『WATER GARDEN』
ぼんやりと前曲の余韻に浸っていると、シンセは次の曲を流しはじめました。ははあ、プログラム組んでるわけですね。ついそういうシステムやらプログラムやらに目がいってしまう情報処理屋の自分がちょっとだけ切ないですが。
吉良さんはここでアコースティックギターに持ち替えられ……。そう来ますか。2曲目で「オハイオ殺人事件」! わたし、音から何かを受け取ることはできると思うんですが…何かを供給することってたぶんできないと思うんですね。音痴だし。音感ないし。リズム感までないし。…でも、なんでしょう、こうやって生の音を聴いていると、自然と体が動くんですよね。これが「リズムに突き動かされる」ってことなのでしょうか? でもその波に身をゆだねるのが気持ちよくて気持ちよくて!
自分としては…2番の「Lucky Man!」を客席が担当できたのが嬉しかったです。結構周りの方もそう思われていたみたいで…「来るぞ来るぞ…!」という雰囲気が周りからびしばし伝わって参りました(笑)。
3. 夢を見る方法
From 『遠い音楽』
引き続きアコギとシンセの競演。…が、ここでZabadakのお約束v 吉良さんの歌詞ミス〜。
小さな言い間違いや1番と2番を混ぜたり、って時には笑って流して、詰まったり止まったりしてしまった場合には最初から、というのがパターンなのですが。今回は止まっても流して次の小節からはじめられてました。そこで吉良さん、うしろのシンセを「これがね」って感じで指し示して…。
あ、なるほど。自動演奏にしてるわけですもんね。「桜」の最初からプログラムでここまで来ちゃってるわけですから、ヘタに止めると大変なわけです。…たしかにMIDIを作っているときですら目的の場所にバーを持ってくのが大変だったりしますし…ディスプレイを遠くから覗き込んでみても、複雑そうですし……。
あとは滞りなく! そしてやっぱり普段だったらバイオリンかアコーディオンがわたしだったら指がつるだろうスピードで駆け抜ける間奏部分で否応なく盛り上がるのでしたv
4. 遠い音楽
From 『遠い音楽』
吉良さん曰く…「やっぱり雨男は僕でした」。
Zabadakのライブは結構雨が降るらしいのです。それはどうやらデビュー当時かららしいのですが。そして「上野が悪い、松ちゃんがいるからだって責任のなすりつけあいを…(吉良さん談)」なんてしていたそう。今でもmassAさんがいるからだ、とか、藤井珠緒さんが来ると晴れる、とかいろいろ言われているようですが。結局吉良さんの「間が悪い」とご本人が自覚したことで落着したようです(笑)。
曰く、ライブは雨が降る。そのくせレコーディングの時などはこれでもかというくらいによく晴れるんだそうで。……わたしがさっき思っていたこともあながち気のせいではなかったんですね。いや、でも、わたしは自分が雨女かもしれない…と思ってたんですけど。小学生の頃から「この学年は雨降るね」と言われていた学年だったので…もしかしたらわたしか、と。だったらどうしましょう。
そして、今回唯一のサポートメンバー? の紹介が。自動演奏担当のMacさん。「物言わぬ民」と吉良さんはおっしゃっておられましたね。コンピュータとつきあい始めて10年ほどになるそうですが、最初の機械に入っていた「さめがめ」を今でもやっていて、その出来不出来によってその日の運勢を占うのだとか。そして今日は歴代2位の記録が出たのだそうですv
……懐かしいですねー…。「さめがめ」…。ひらがなで書くのが正しいのかカタカナで書くのが正しいのか、それは知りませんが…某アーティストのCD-ROMに入ってたのを使ってましたっけ。自宅機がWindows3.1の時代ですからそれこそ9年近く前…。一時期こればっかやってましたが…ルールは覚えてるんですけどねぇ、どうやるんでしたっけ。
と、ひとり思い出に浸っているうちに曲が…。あぁ、そういえばこのごろソロコーナーでやることが多くて、伴奏付きの「遠い音楽」は久し振りかもしれません。あれ、思い返せば前回1月のライブ、「遠い音楽」なかったですね。あのときも満足度ばっちりで、つい見逃していましたが…。
それにしても、今回の「遠い音楽」! 初めて聴くアレンジでした。いつもは4行さらりと行くところを、1行、1行、2行…と持っていく形で(歌詞が書ければわかりやすいんですけど、何行にも渡って書くと「引用」の範囲超えちゃいますしねぇ)。その間がなんだか不思議な感覚…。こういうアレンジもいいですね…。このときは吉良さんはエレクトリックギターでしたが、そのままエレクトリックな雰囲気だったり、がらりと変わって優しく柔らかい音だったり、ひとつの曲の中でいろいろな姿を見せてくれる音が心に気持ちよかったです。また、ステージ後方からの水色のライトが浅い水の中のようで……うっとりでした。
5. 光の庭で
From 『TRiO』『LiFE』
シンセなしのアコギ1本で、「光の庭で」。ギターの音の1音1音と、長く伸びていく吉良さんの声の調和がもう……なんとも言えないのです。
それにしたって…。そうなのに、この世界が「光の庭」なのに。なんで同じ種類の生き物で喧嘩するかなぁ。切ない、というか、情けない…というか。でも、それでただ何もせずに見ているだけの自分もいるわけです。…そんな自分も情けないなぁと…降ってくるような音の中で思っておりました。
6. マーブル スカイ
From 『桜』
ひとりZabadakすなわちサポートメンバーなし。すると曲に必要なコーラスは必然的に客席に回ってくるのですね。いえ、もう、それも楽しみのひとつなんですけれど。口笛ももちろん準備万端です! しかしそうやってこの曲のコーラスパートをライブで歌ったりしているせいでしょうか。…ひとりで口ずさんでいても、なぜかコーラスパートになっちゃうんですよね(汗)。
この曲のラストの方…アコギの6本目の弦がゆるんでしまいました。吉良さんもずいぶん弾きにくそうで…そうですよねぇ、あれだけたわんでいたら弾けませんし。その上ラストの1音が6本目。その時だけその弦を引っ張ってぴぃんと張らせて、音を奏でる……か、カッコいい。「(弦が1本くらい)なくても弾けちゃう人もいる」とおっしゃいますが、ものすごくかっこよかったですよ!!
そうして弦を張り直している間、昨日の夜の話をして下さいました。
吉良さんはライブの前日、遠足前の子供と一緒で眠れないんだそうです。それで昨日もテレビを見ていたそうなんですが。…イラクの、油田の話だったとか。アメリカの目的はその油田にある、なんて内容だったみたいですね。
吉良さん「地べたの下の(石油の)ことしか考えてないんだね。
地べたの上に住む人のことを考えてないんだね」
ああ…そうか、結局は「自分がよければいい」ってこと? 自国が潤えばそれでいいのか。…あれ、でも、そのために自国の兵士が死んだりするんじゃ…? なんだかもうよくわかりません。お偉いさん方がどんな論理を持ち出そうが、傷つくのは一般の人々なんだよね? でも一応お偉いさんの主張は「自国のため」「自国の民のため」…それは果たして本当なんですかね。他ジャンルの関係でそういうことを考えることも多いんですけれど……あの時書いた「国は民を守るための存在にしか過ぎない。自国の民を苦しめる国は、もはや国ではない、と。」という言葉、わたしはやはりそう思ってます。
それで気分が悪くなった吉良さんはNHK教育にチャンネルを合わせたとか。すると今度は匠の番組だったそうです。漆工芸の職人さんの話で、その方は7代目だそうで。
吉良さん「ああいうのもいいよね。漆。(略)
(音楽とかは受け継がれていくものがないから)2代目とかないしね」
言われてみると…そうかもしれません。「技」は受け継ぐことはできますけど。「自分が死んだらそこまでだ」とおっしゃるとおり…わたしも死んだら、今書いているものの続きは永遠になくなるんですね。そりゃわたしのような才能なしではない方がもっと高尚な言葉で書くかもしれませんが…わたしの言葉でわたしが言いたいことを言いたいだけ形にしたものは、それ以降はないんですよね。そう考えると…わたしが、頑張って話を書き続けることにも何か意味があるのかなぁなんて思えてきます。一応、わたしの言葉はわたしにしか書けないのかなあと。
吉良さん「Zabadakを襲名したい方はお早めに申し出て下さい。(略)
僕が今際の際に巻物かなんかを渡して『すべてはここに記してある…』
とか言って亡くなっていったり」(会場爆笑)
……オチですか(笑)?
7. 小さい宇宙
From 『私は羊』
そんなこんなでいろいろなトークを聞けて満足v …と。
吉良さん「あ、次このギターじゃないや」
あ、あれだけ時間費やしたのに(笑)! でも、それでものすごく実のあるトークを聞けたのでそれはそれで嬉しかったりするのですけれど。ハプニング万歳ですね。
そしてエレギに持ち替え、「小さい宇宙」…。うう、胸にぐっと来るものが。なんだろう、いい歌だなぁ、って流しちゃうこともあるんですよね。でも普段よりずっと感じるものがあることもあったり。なんでしょうか、その時の自分の気持ち…みたいなものが影響しているのかもしれません。CDで聞くとき、サポートメンバーがたくさんいるライブで聞くとき、ソロコーナーで聞くとき、自分の心の中で流れるとき…それだけでも違うのに、その時々の心のありようが曲を違うふうに受け止めさせるのかな。音楽は、作る方だけでなく、受け取る側の心にふれて、ようやく本物の「音」になるのかもしれません。そんなことをぼんやり思っておりました。
8. かえりみち
From 『はちみつ白書』
今回はCDでは別の方が歌っている曲も何曲かやられるそうで。
吉良さん「CDで歌ってる方のうまさがよくわかるかと…」
そうはおっしゃいますが! いつもは聞けない吉良さんボーカルバージョンの曲が聴けるのって、ライブの楽しみのひとつでもあるんですから♪ テイストががらりと変わって、どちらもものすごくいい曲ですv
そしてまた「物言わぬ民」のサポートで演奏が。そうですね、「かえりみち」は『はちみつ白書』で高井萌さんが歌ってらっしゃいますもんね。でも…吉良さんのボーカルもいいです…最高だ〜。ここで弦の復活したアコギの出番です!
9. 星ぬ浜
From 『COLORS』
前曲から引き続いてこの曲に。ライブバージョン(それもひとりバージョン?)なので入り方のアレンジもいつもと違いますね。一瞬何の曲だろう、と思っちゃいましたよ。メロディの流れでわかりましたが…。
それにしても…どうしたんですか、吉良さん…歌詞が(笑)。8、9、10曲目はシンセですべて繋がっていたので、10曲目のあとでぽつりと。
吉良さん「竹富島に汽車はないだろ…」
あはは。「糸の音」が「汽車の音」になってましたもんね。いえ、そんなふうにちょこちょこミスがあるあたりがあったかくていいんですけれどv
10. 休まない翼
From 『桜』
なんだかもう…改めていい曲ですねえ…。ラストのコーラス、いつしか「ライライ」になってますよね。Zabadakのコーラスといえば「ライライ系」ですけど…仲間入りですか(笑)?
あああ、その風に乗って、どこまでも行ってみたい…。そこでなくした何かを見つけられるなら…(ただいま他ジャンルと混信中につき、暴走しております)
11. Mother
From 『Something in The Air』
ふええ? こ、この曲? ものすごく久し振りかもしれません。もしかすると、『Something
in The Air』発売ライブ以来かも? あああ、覚えていないんですけど…途中のライブの曲もほぼ書き留めているんですけどね。形にしてないから。…そう考えるともったいないコトしてますね…。
ここから、シンセなしのキーボードによる弾き語りでした。そう…なんですよね。シンセ抜きなんですよね。なのに、なんででしょう…ピアノの音のキーボードと、吉良さんの声だけ…それでも、いくつもの楽器を重ねて作っている音のような感じが。いえ、それよりも広がりがあるような。どんな楽器より先に、なにより声が音の原点なのかもしれません。
12. COLORS
From 『COLORS』
キーボード弾き語りの「COLORS」…。コーラスがなくても、幾重にも聞こえる声…。そろそろ言葉がつきてきました。というか、言葉にしようがないほど浸りきってきました。
ぎゅっと胸が痛くなるような感じがしてなんだか泣けてきて…。それで思い出したんですが。前に…学生だった頃、「CDのこの曲聴くと泣けて…」って話をしたんですね。すると「曲聞くだけで泣けるの? 信じられない」と言われたことが。うーん、そっちの方がわたしには信じられなかったんですけどね。なんだかもう、嬉しいとか悲しいとか切ないとか、そんなことじゃなくて…言葉にならない説明もできない不思議な感じが胸の底から湧き上がるようにやってきて、あふれるように涙がにじんでくるのですよ。意識とは無関係に。……それって、無理に言葉にすると、「感動」ってことなのかもしれません。言葉にしちゃうと陳腐で俗っぽいんですが。
13. Tears
From 『Tears』
ここで吉良さんの林檎話(わたしがコンピュータ好きなので、そういう話に敏感なのですね/汗)。吉良さんの林檎機がこの前調子悪くしたそうで。iMacで、なにやら画面がものすごくなったらしい…。それでMacの病院らしきものに行ったそうです。…そんなところがあるんですね! 受付を済ませて診察を待つ間、愛機を大事そうに抱えている人たち……たしかに気持ちはわかりますね…(笑)。わたしもこの機械どうにかしたいなぁ…止まるし、重いし、変な動きするし。わたしのは窓機ですが。
結局OSの再インストールだったそうです。話によると、かなり簡単に終わったらしいのですが…林檎ってそうなんですか? わたし、情報処理屋ですけどどちらかというとソフト専門なので、OSとか機械関連はよくわからないのですよね。…って、機械話でそんな長々と(笑)。
アコギ、シンセなしの「Tears」。好きなのです、この曲v もちろんどの曲もものすごく好きなのですけれど、「Tears」はなんと言っても合唱で歌ってみたい曲ナンバー1。さりげなく促されて、客席がコーラスパートを受け持ちましたが…そう、こんな感じで! 合唱したいのですよ! 学生だったら合唱コンクールの候補曲にこっそり入れたいところです(こっそりというあたりが小心者)。
14. Still I'm fine
From 『SIGNAL』
キーボードの前に座りながら、
吉良さん「曲順間違えた…。って言わなきゃわかんないのに」
え? あ、そうですね、11曲目と12曲目がキーボードで、この曲もキーボード…ってことですか。すると前の曲と順番が逆になったと(笑)。たしかに、それは吉良さんがおっしゃらなければわからなかったですね(笑)。
そんなほんわかとしたトーク。けれど曲に入るとその雰囲気も保ちつつ、曲の色に会場が染まっていく感じがします。「Still〜」は前奏に入ったところから既に胸を撃ち抜かれたような気分になります…これは本当に「切ない」という感情。話だけじゃなくて、歌にも感情移入ってできるんですよね。というか、意識する前に曲の中に入り込んでしまうのですけれど。
15. Tin town
From 『SIGNAL』
エレクトリックギターの音が冴え渡ります〜。やっぱり、間奏がいいんですよねっ。ギターが踊る踊る。そしてつられて体が動く動く。このあたりから客席も我慢ができない方が多々続出…(笑)。ええ、よーくわかります。周りの方…特にうしろの方が「この曲を落ち着いて聞きたいか、弾けたいか」はものすごく気を遣うんですよね! 行きたい、でもうしろの方が…って。でも、でも、吉良さんのギターがあまりにも楽しげに音を綴るから! どうしても盛り上がっちゃうんですよ!!
そのあたり…ど、どうなのでしょう。ずっと座っていたい、って方もいらっしゃいますよね? いつも思うんですよね、難しいなって。
16. Play your days
From 『SIGNAL』
……あああ、もう、無理です。我慢できません。ってことで、思わず立ち上がってしまいました。こういうロック調…高校時代の友人でZabadakファンの子はあまりZabadakでロック、というのは得意ではなかったようなのですが。ええ、わたしはもちろんOKです。そういえば昔(といっても5、6年前の話ですが)、黒服系と呼ばれる系統のバンドのライブに行ったとき、さらりとヘッドバンギング(でいいんでしたっけ、あの派手に頭振るやつ)こなしていたことを思い出しました。行ったのはその1回だけでしたけどね。
17. ねむれないよるのうた
From 『パレット 斉藤ネコ・カルテット ウィズ 小峰公子』
まだスタンディング状態の会場。そこで吉良さんが「次で最後です」と言うと、会場からは「えー」。お昼にやってる某番組のようですね(笑)。
吉良さん「えー、って言われてもなぁ。
こういう形式のライブはどうですか」
すると会場、「楽しーい」。ええ、楽しいです。というか……すごく、贅沢な感じがするんですね。もちろんたくさんサポートの方がいて、サポートの方の音があって、いろんな会話のやりとりがあって、それも楽しいし嬉しいし、ライブに来られることが贅沢だと思うのです。が、吉良さんひとりだと、頭のてっぺんから足の爪の先まで、すべて吉良さんの魅力大爆発なのです。始めから終わりまで、吉良さんの音で満たされる、って感じがするのです。なんだかとても贅沢ですよね? CDだけじゃ味わえない、ライブだからこそ、吉良さんだけのライブだからこそ、の希少的な贅沢さ。そして客席がサポートメンバー、というような雰囲気も魅力的なのです。
吉良さん「…座りませんか」
ああ、そうですね、座りましょう…(ものすごくアットホームに)。
そして、最後はしっとりと…。で、公子さんが歌う「ねむれないよるのうた」を吉良さんバージョンで。しかし歌の出だしの音程が違っていてやり直し(笑)。そんなところもアットホーム。うう…いいなぁ。
18. EASY GOING(アンコール)
From 『Welcome to Zabadak』
もちろんあるよね、アンコール。…という暗黙のルール。吉良さんが舞台裏に消えてまもなくアンコールを求める拍手が。けれど、今回はわりと少人数のライブ…そのせいか、タイミングがなかなか合わないというか、いつもより加速度がついていました。観客数が多いとペースも変わりにくいんですけどね。
そうしてアンコールは「EASY GOING」、ギター1本で………えっ? シンセなし? ギターだけの「EASY
GOING」!? うっわ! ああもう、座っていられるはずがありましょうか、いえ、ありません(反語)。吉良さんひとりだとこの曲はキツイかなぁ、と思っていただけに、意外であり嬉しくもあり。もちろん嬉しい方が断然勝りますけどね。
客席は一気にヒートアップ、別パートもコーラスも誰もが担当できるのがすごいですよね。コーラスの高い部分、出すのがわりと大変なんですが(笑)。それでも自然に腹式呼吸なわたし。部活やら何やらのクセです(笑)。
おそらく初参加の方にとっては一番驚く曲でしょうね…。誰もが立ち上がり、誰もが別パートを担当し、誰からともなくコーラスが始まるんですから。その上、手拍子ポイントもありますからね。わたしは初ライブに来る前から既に「ライブでEASY
GOINGの手拍子とコーラスをやるんだ…!」という夢があったので大丈夫でしたが★
それにしても…ギターだけの「EASY GOING」もいいですね…!!!
19. ブリザード・ミュージック(アンコール2)
From 『ブリザード・ミュージック』
そうして、もう1回アンコール。たいてい1回じゃファンは満足しませんしねv
この曲、吉良さんはギター1本でシンセもなしだったのですが…。ポイントでさっとキーボードを弾く吉良さん…! 素敵です…っ!
しかしサビの手前の部分、2つのパートが掛け合いのように歌うのですが、何度も申しますとおり、今日はひとりZabadak。
吉良さん「あっ、このパートやってくれる人がいない」
するとそのパートを突然担当する客席。とっさに出てくるんだからすごいです。しかもそのあと、サビの所をハモリパートで歌っている方が多かった…! 聞き尽くして歌い尽くしているのですね。わたし…は、ヘタなので困ったものなのですが。
間奏のキーボードソロからその直後ギターパート、最後のサビ…と流れる部分も、吉良さんはひとりでこなされてました。キーボードからギターに映る瞬間! 惚れ惚れです…! これだからライブ通いはやめられないんですよね。本当にもう中毒かもしれません(笑)。あぁ、でも、悪い中毒じゃないから……いいよね(笑)?
はあ……。(満足げな溜め息)
もう少し…飽きるまで「ひとりZabadakはあるかも」とおっしゃっておりました。大歓迎です!! 次回は是非、友人連を誘って参りたいと思います!!!
会場を出ると、夜の渋谷は寒い…ハズなのですが。その寒さがちょうどよかったりいたしました。雨は止み、風も静まったわりと静かな夜。そういえば、Zabadakのライブって着いたときは雨が降ってたり寒すぎたりするんですが、終わって外に出てみると雨がやんでいることが多いような……?
そうして気分もものすごくよかったです。なにやら職に就いたりなんだりで思い悩んでいたことも多々あったのですが、そんなことがどうした、という気分になりました。え、あれだけ暴れて大声出せばストレスも発散されるだろう? そうなんですけどね(笑)。
それだけじゃなくて…Zabadakのライブに来ると、いろいろ吹っ切れたり…自分が書きたいものが見えたり、そんな気がします。よく言う「元気をもらう」っていうものなのかもしれません。元気、だけじゃないと思いますけどね。
さぁて…次回の見通しは立っておりません。とりあえず4月は平日なので無理でしょう…。お寺ライブも、遠いのがネックで。しかし、やはり時々ライブを入れないと調子が狂うことが判明いたしました。なので時間と予定がマッチすれば、張り切ってライブに参加することでしょう。そうして、やはりライブに来ると厄払いができるようですしね(運気がアップしたりいろいろ当たったり…ええ、本当に/笑)。
ああ、また「感想」ですね。そろそろ「レポートじゃなくて感想なんだ」と割り切った方がいいかもしれません(笑)。長々おつきあいいただいて、ありがとうございましたv