2008年 4月26日
in 南青山MANDARA

2008年・春のツアー

ギターと鈴と譜面台と私

出演者
吉良知彦−Tomohiko Kira−(Vocal・Guiter)



    (第1部)
 1.回転劇場
 2.ニュウス
 3.今日の夢のこと
 4.アポロの月
 5.人形たちの永い午睡
 6.夕焼け
 7.ヒースの丘
 8.旅の途中
 9.Still I'm fine
10.Wonderful Life
11.この空で会えるよう
12.桜
    (第2部)
13.水の踊り
14.夏日記
15.天気予報
16.白い紙と鉛筆
17.彗星はいつも一人
18.マーブルスカイ
19.光の人
20.休まない翼
21.かしはばやしの夜
22.COLORS
23.空ノ色
    (enc)
24.光降る朝
25.遠い音楽
26.easy going



 待ちに待ったzabadak春のツアー! しかも03年の3月、昨年11月に続き3度目(かな?)のひとりzabadakですよ! 残念ながら……日程の都合と世知辛い理由により遠征は無理……。いつかzabadakで遠征をしてみたいと思っております。
 というわけで、今回は東京のみ参加。1箇所だけなので、心ゆくまで楽しんでこようと思います!

 さて…。
 やってきましたのは外苑前。南青山MANDARA……名前は耳にしますが、実は来るのは初めてです。そのため、地図のどれがどこを指しているのか微妙に戸惑いました(笑)。なんとか辿り着くことは出来たのですが、……雨。小雨とはいえ、外で並ぶのに傘はやっぱり欲しい程度の雨。予報では今週末は大丈夫のはずだったのですけれどねぇ……。
 今日の番号は、14番。なんだか「14番かぁ、そうかぁ」と軽く受け止めてしまいましたが、そういえば結構早い数字ですね……。色々な要因が重なって感覚が麻痺していましたが、整理番号順に並ぶ際にビル側が80番まで、向かいがそれ以降というアナウンスを聞いたときに改めて自覚しました。
 ステージには椅子と譜面台、3本のギター、足もとには鈴。会場内はステージ正面に1段低いフロア、ステージから見て右と奥にチェアとソファ、左側には席とカウンター。なにせそういう番号なので、最前列のテーブル席以外ならよりどりみどりな感じです。少し迷い、ステージに向かって右側、1段高い席の一番手前側に座りました。というか、ビデオカメラの隣です。カメラ班はおそらく公子さんだろうと思いましたが、特にそれを気にしたわけではなく、純粋に「カメラは一番見やすい角度をキープしているはずだ」という判断でございます。カメラの隣は慣れたものです(笑)。伊達にディズニーのパレードをDVDで妹が撮る隣でカメラ構えてませんからね〜。

  1. 回転劇場
               From 『回転劇場』

 1段下のフロアでオムライスを食べている方がいて、美味しそうだなぁおなかすいたなぁ(家に夕飯が準備してあります)と思いながらぼんやりしていると、いつの間にか奥の通路の電気が消えていました。そろそろかな、と思うまもなくステージには人影が。会場からは拍手が巻き起こります。…普通に入っていらっしゃいましたなぁ。
 ステージの中央に据えられた椅子に座り、左足に鈴を装着。ギターの弦を調えて…そしていきなり始まる曲。1曲目は『回転劇場』っ。しょっぱなからテンションあがります! 今日もくるくると景色の変わる、いろんなzabadakを楽しみにしております!!

  2. ニュウス
               From 『回転劇場』

 『回転劇場』から来たら、次は『ニュウス』ですよねっ。入り際のところで少し静かになるので、ドラムのかわりに会場に手拍子を求める吉良さん。早速来ましたか! 手拍子を入れて曲に参加するのって楽しいですよね。一緒に楽しんでいる感じがして。もうすっかりワールドに引き込まれてしまいました。サビのメロディのスピード感がたまりませんっ。
 本当は、手拍子苦手なのですよ。なぜなら、気が付くと聞き込んでしまって忘れてしまうからです(笑)。

  3. 今日の夢のこと
               From 『Wonderful Life』

 うわっ。好きな曲が来ました。いや好きじゃない曲があるのかと問われればないのですけれども。でもこの曲をライブで聴いた…のは…? あれ…? あったとしてもそんなに多くない気がします。前回のシークレット・ソロ・ライブでも演奏されていましたが、ひとりzabadakなので、ラストの掛け合いのようなメロディのおいかけっこがひとり用にアレンジされております。このアレンジも格好良くていいですね〜。

  4. アポロの月
               From 『ブリザードミュージック』

 アポロ…! わたくし、バレていると思いますが(というか隠してもいませんが)宇宙や星が大好きです。宇宙に憧れる気持ちというか、暗い夜空を見上げて思う気持ちというか。淋しいような心が洗われるような。そんなすがすがしい空気を感じさせる曲です。
 でも……吉良さん曰く、お天気は「1勝2敗。しかもその1勝もあやしいモノ」(笑)。あー、たしかに今日のお天気、昨日までの天気予報では晴れでしたよね。わたし密かに自分のせいだと思っていたのですが、それも要因でしたか…(笑)。

  5. 人形たちの永い午睡
               From 『飛行夢』

 最近のライブで結構やりますね、この曲。実は、「最近になってよさがよくわかってきた」曲のひとつでございます。いや、本当、振り返るとなぜこの曲をスルーしてきたのだろう自分、って思えるんですよね。中学生や高校生の頃感じなかったことを、大人になってから気付いたような。聞き込みたい曲です。
 …お。会場でめっちゃノッてらっしゃる方が。ひとりだけの手拍子だと、ちょっとやりにくい感じかも。「ごめん、手拍子やりづらい」と間奏中の吉良さん。吉良さんってどうしてほしいかをきちんと仰る方ですよね。あとで「ノッてるところに水差してごめんね」と謝っておいででした。気持ちはわかりますよ〜、大好きな曲は盛り上がりますもんね〜。

  6. 夕焼け
               (Next Album!)

 ところでこの辺りから、フリーダムになってきたようです。曰く、
「セットリストを自分で決めてきたんだけど、違ってきた」
 とのこと。音響や照明さんに向けてでしょう、「よしなに…」と告げ、譜面をぱらぱらあっちへこっちへ。なんだか凄いです。気分次第でのセットリスト! ひとりだからこそ出来る自由なライブですよ。こちらも何が飛び出すかわからない、ドキドキの期待でいっぱいです。
 そして、ニューアルバムの話が出ました。只今鋭意制作中…ということで会場の期待は一層高まりますが、反して「でも今年に入ってから1曲も出来てません」。ええ〜…。じゃあまだ先ですか? あ、ええ、もちろん最高の作品が送り出されるまでしっかりきちっとお待ちしますけどね! ということで、作り終えた作品から、『夕焼け』。年月を経て振り返る…赤い、真っ赤な光に包まれる中で、伸ばした手のシルエットが鮮やかに浮かび上がるような……そんな歌でした。は、早くじっくり聞きたいです…。

  7. ヒースの丘
               From 『秘密の花園Original Soundtrack』

「じゃあ、切ない歌特集」
 ということで…『ヒースの丘』。ふぇっ!? これは“秘密の花園”というお話を劇団ひまわりで公演したときの曲で、岸祐二さんが歌われていた歌です。吉良さんバージョンですかっ! もちろん、原曲の男性らしい歌声も素晴らしいと思いましたが…っ。それよりも細いラインの吉良さんの歌声……わわ、ものすごく良いですよ! すごく良いですよ! セルフカバーで収録して欲しいです。あぁもう提供曲片っ端からセルフカバーをお願いしたいです。やっぱり吉良さんの声はいいです……!!!

  8. 旅の途中
               From 『旅の途中(Single)』

「今度は人の歌特集」
 あ、前の曲もかかっているわけですね。なるほどではどれを……って、『旅の途中』ですかっ! 原曲は清浦夏美さんという方が歌われていて、“狼と香辛料”というアニメの主題歌です。1回見ました〜。綺麗な曲で、いい曲だと思いますし、清浦さんの歌声もステキだなぁと思っていたのです。でも、ひそかに吉良さんが歌ったらテイストが違っていいだろうなとも思っておりました。
 そうしたら…そうしたら…!! ややややや、こちらもものすごく良い…っ。お、同じこともう一度言います。セルフカバーで収録して欲しいです。あぁもう提供曲片っ端からセルフカバーをお願いしたいです…!!

  9. Still I'm fine
               From 『SIGNAL』

 いやー、でもやっぱりひとりは大変ですよね。休めません。インストと間奏以外ではずーっと歌っていて、その歌部分でもインストや間奏でも、ギターは走り続けているわけです。暑いのも当然ですね。
「これ以上の薄着は出来ないし…」
 と仰る吉良さんは、ジャケットは最初から後ろのピアノの上なので、Tシャツにズボンという出で立ち。…確かに。しまいには「水の中でライブしようかな」とか、「たらい置いて足を水につけながら…」なんて提案までされていました。…え、でも、それじゃ足の鈴は鳴らせないのでは…と思っていたら、ステージ前に座っていた男性がしっかりつっこんでくれました(笑)。みんな思っていたようです。
 そして曲が『Still I'm fine』…。わっ……。どうしてもこの曲を聴くとぼっちゃんを思い出してしまうのです…。「テッドがぼっちゃんを思って、だよ」「いや、ぼっちゃんだ」と己の主観同士を無意味に主張し合った思い出が甦ってきます。やっぱり今でもわたしにとってはこの曲はぼっちゃんなのですよ。そしてその言葉を届けたいのは、テッドにだけでなく、ルックやシーナに対しても。本当は淋しい心を自分の中にしまい込んで、ふと微笑むレイ様の姿が浮かぶのです。って、幻水の話がわからない方にはすみません。いや、わかる方にもある意味すみません。

 10. Wonderful Life
               From 『Wonderful Life』

 ……と思ってたら次の曲が『Wonderful Life』…っ!! や、ヤバいですその流れは。泣く。泣きますよっ。前から続くマニア話で申し訳ありません。…が、ホントに、この曲はっ…。やっぱり何度聞いても、3のあとのシーナの心境なのです。ルックを思うシーナの心境なのです。そう思うとこの9曲目〜10曲目の流れがレイとシーナからルックへの思いのようで……っ!! あぁ号泣しそう…。
 あ、でも、ちょっとだけ落ち着きました。吉良さんが歌詞をド忘れしたので…(笑)。どうしても1番の歌詞が思い出せず、何度も歌詞を口ずさむ吉良さん。結局、
吉良さん「公子さん、ここ何だっけ」
公子さん「…“空よりも届かない”」
吉良さん「あっ、それだそれだ!」
 公子さんに助けを求める吉良さん(笑)。さすがです公子さん!
 しかしこんなに休みなくギターを弾き続けていると腕が大変そうです。カリウムが足らなくて手がつりそう、とのこと。
「ポカリみたいなのありますか。……もしくはビール」
 ビール(笑)! 結局ビールを用意して貰っていました。ビールにカリウムは入っているのか?ということはこの際関係なく、なにやら吉良さんらしくていいなぁと思いました〜。

 11. この空で会えるよう
               (From 『LiFE』)

 わー。最初何の曲だろうと思ってしまいました。イントロでは勿論わかったのですが、だって歌詞が日本語だったのですもん。アルバムに収録されたこの曲は、中国語の歌。日本語バージョンもあるのですが、聞いたこともあるのですが、実はそれは持っていないという……。え、いや、ありますよ、高原さんだって持っていないモノは。ザバファン歴はそれなりにあるとは思いますが、本当に長い人たちから見ればひよっこですから。自分未だに下の方な意識でおりますから。
 日本語バージョンなのであえてタイトルは日本語のほうをベースに書いてみました。中国語のタイトルは『在這天空相曾』。日本語は意味がきちんと聞き取れるのでよいですね〜。
吉良さん「中国語では歌えません」
 …中国語はわたしもわかりません。

 12. 桜
               From 『桜』他

 ひとりzabadakの一番の見どころ、『桜』。9分以上あるインストゥルメンタル。それをギター1本だけで表現するのですよ。しかもつりそうな手でっ。アスリート並みの乳酸菌との戦い、という表現もなるほど頷けます。ひとりzabadakを堪能していると、ギターの持つ奥深い音色が改めて見える気がします。いい曲です。
 前回、前々回のひとりzabadakでも『桜』は演奏されていました。本当、9分が短い短い。

 今回は2部構成と言うことで、ここでいったん休憩。ですよね、ですよね、休んでくださいっ。第2部も楽しみにしておりますっ。

 13. 水の踊り
               From 『Follow Your Dreams(Single)』『Decade』他

 ライブ中の飲食はね…。体調を変化させないために、基本的には飲食しないほうです。前も基本的にはスタート1時間半前には食事は終了させるようにしています。そのかわり、後はわりと何でも大丈夫です。だからこう…気持ちの問題だとは思うのですけどね。というわけで、ごはんモードの周囲の中で、ひとりのんびりまったり。セットリストのメモだけしか持ってこなかったのはやはり失敗だったなぁと思っていました。こんな創作意欲をかき立てる音を受け止めていながら、物語を書きたい気持ちだけが空回りそうです。
 時計はいつも携帯だけ、ライブ中だから電源を切っていたのでどれくらい休憩があったのかわかりません。でも20分とかはあったのではないですかねぇ。会場が落ち着くのを見計らうような感じで照明が落ち、吉良さん再登場。
 流れるようなインスト……ふわりと水が踊りだす。『桜』も名曲ですが、『水の踊り』もいい曲ですよね……。ギター1本というシンプルな構成だからこそ、メロディラインをじっくり聞き込めてしあわせな気分です。
 さりげな〜くどこからか香るフライドポテトの匂いが……(笑)。

 14. 夏日記
               From 『Wonderful Life』

 今、外はどしゃぶりの雨なのですって。吉良さん情報(笑)。会場にうっすらどよめきが起こります。そんなに雨を呼びますかzabadakは…。大丈夫かと思って折り畳み傘しか持ってきていませんが、あまりに酷ければちょっと考えなければ。まぁ、今はとにかく音を楽しんでいきましょう。
 曲は『夏日記』。優しい曲調がじんわりと心に響く歌です。サビのギターの流れが大好き。それがまたひとりの声とギター1本なので、静かな寂しさが染み込んでくるようです。全体的にWonderful Lifeは泣かせる曲が多いですね……。

 15. 天気予報
               From 『Wonderful Life』

 ここからより一層ダラダラで行きます、という宣言。だらだらでアットホームで、セットリストは気持ち次第★ こういうライブもいいかも。
 でもだらだらで『天気予報』なのですねっ。曲がのんびりした、という意味ではなくて吉良さんの腕的に大丈夫な曲か…(笑)。だって、緊張と疲労で小刻みに震えているのがわかるのですもの。無理はしないで欲しいな、という気持ちもありますが、大体がファンって貪欲なモノでして…。それでももっと!と思ってしまうのですね〜。すみません。
 それにしても、さっき「外はどしゃぶり」という話だったのに、この曲の入りの歌詞が「少しの雨なら傘は差さず…」って。どしゃぶりなのに…少しどころじゃないのに……(笑)。

 16. 白い紙と鉛筆
               From 『TRiO』

 白い紙と鉛筆だけあれば…。自分にとってそれは、絵というより言葉なのですけれども、そう、それだけあればなんだって出来るしどこへだって行ける。そんなことをふと思ってしまう曲です。TRiOはそんなに聞き込んでいるアルバムではないのですけれど、この曲は初めて聴いたときのインパクトがものすごく強くて、いつまでも耳の奥に残ったものでした。
 そうですよね。どこにだって、行けるはずなのですよ。心が立ち止まらなければ。

 17. 彗星はいつも一人
               From 『Wonderful Life』他

 キャラメルボックスのお芝居でこの曲を聴いて号泣しそうになったのを思い出します。そしてまた空想は妄想に発展してもう一度泣きたくなる……。うっとりと聴き惚れながら、お芝居の内容をまた思い出していました。切なかったですね〜…。そして曲が良かった。サウンドトラックに収録された曲がものすごくよくて。以来キャラメルのお芝居を観に行くようになりました。
 でも余韻に浸っていると、「すみませんビール下さい」って(笑)。曲の最中はものすごくしっとりしたいい雰囲気なのに、ギターの音が途切れるととたんにほのぼの面白い空気になりますね。そんなところが大好きなのですけれどね!

 18. マーブルスカイ
               From 『桜』他

 わー、名曲来ましたっ。思わずハモリパートを口ずさみそうになる曲です。でも、一緒に歌える人がなかなかいないのでハモるわけにも行きません(笑)。でも今日は客席がコーラスです! 担当するのはハモリパートではなくて、おっかける部分なのですが。とはいえこのおっかける部分が大好きなのです。一緒に参加できるのがとても嬉しいのです!
 聴き惚れていることも多いですが、やっぱり基本歌が好きなのですよ自分。だから、歌うのも好き。ただし音痴ですが。だから邪魔にならない程度に、でも楽しく、一緒に歌いたいのです!
 そして、昨日フランスから大容量のデータが送られてきたという話を聞きました。フランスでやったライブの映像だそうですよ。ライブと、リハの様子と、風景と、リハの様子と、リハの様子と、などなど盛りだくさん…で、DVDになるらしいと! わっ!! そ、それはそれは楽しみですっ!!(ちなみに「リハの様子」って3回仰ってましたよ。3回目はあえてと見た。大事なことなので何度も言いました)

 19. 光の人
               From 『椎葉の春節(Single)』『Remains』他

 ……ひ、『光の人』っ。わたしがzabadakと出会った時、2番目に聞いた曲です。1曲目は『星狩り』だったのですが、おかげでzabadakというとその2曲のイメージがものすごく強いのです。もともとファンタジー屋だったのですが、そのあたりから目が覚めたようにファンタジーばかり書くようになりました。ファンタジーでもいいんだ、となにやらわけのわからない自信を持ったような。
 そんな思い出の曲が聴けるなんて……。しかも新鮮なアレンジ…。やっぱりライブはいいですよ。ライブはいいですよ。

 20. 休まない翼
               From 『桜』

 わわわっ。たたみかけるように名曲の嵐! 歌い上げると気持ちいいのですよね。柔らかな吉良さんの声がまたよいのであります…。
 曲が終わった後、最後の音符をじゃーんと弾き直す吉良さん。何かと思っていると、
「このマイナーが妙だよね。最後、“誰にも知られず”墜落しちゃった、みたいな」
 ちょ……っ(笑)。「ダメじゃん!」とご自分でもつっこまれてましたが、あえて言わせて下さい。ダメじゃん!! そんなぁ、こんないい曲でオチつけるんですかぁ…(笑)?

 21. かしはばやしの夜
               From 『賢治の幻燈』

 そして次の曲のイントロ…なんだろう…と思っているうちに、ぴたっ。「あれっ?」ともう一度…ぴた。なにやらどうもうまいこと先に進めないらしく、弾き直す吉良さん。やり直しはさほど珍しい光景ではないので、客席も安心して(?)その様子を眺めています。勢いが付いてしまえば進めますしね。
 ところが、なかなかうまくいかない。3回目…4回目…。客席から笑いがあふれます。5回目もミスったときには、隣に立っていた公子さんまで笑っておられましたよ。そして5回ミスった時点で、
「やめますっ」
 ええ〜? 勿論会場からも「えーっ」の声。吉良さんは、
「やるよやるよっ」
 と苦笑いで6回目。なんとかクリア……って、『かしはばやしの夜』!? まさかこの曲が来るとは思っていなかったので、イントロで気付きませんでした…。でも、意外に楽しいですよこの曲ライブでやると。だって、みんなで「Fu〜!!」って出来ますもん。楽しいっ!!

 22. COLORS
               From 『COLORS』

 そして、静かにしっとりと『COLORS』。実はこの曲、ひとりzabadakでは皆勤賞なのですね。前々回と前回…あ、札幌と富良野の様子は存じあげないのですが、少なくとも03年と07年のひとりzabadakでは『COLORS』を演奏されていました。バックバンドを率いてのライブでやるアコースティックコーナーに加えても良いのではないでしょうか。
 サビの伸びが気持ちいいですねぇ……。カラオケに入ってくれればいいのに、と思います。

 23. 空ノ色
               From 『空ノ色』

 ひとりでやるから、全てが自分の匙加減。終わりどころがわからない、踏ん切りが付かないと仰る吉良さん。個人的にはこのまま永遠に続いてもいいと思っているのですが、それでは色々支障が出て来てしまいますね。我慢。
「そろそろかな?」
 と会場を見渡すと、客席からは「まだまだ!」の声。でしょう、そう思います。すると隣から、
「そろそろ!」
 と声が。公子さん……(笑)。どのくらいやっているか公子さんはわかっていますもんね。それにテープの残りもそろそろ危ないかも……。
 そして一応のラスト曲と言うことで、『空ノ色』。これを持ってきますか! ライブでは余り聴きませんが…いい曲ですよね!

 はー。と、一息つく間もなく、すかさずアンコール! うわぁ、今日もまた手拍子が全っ然合いません〜。大体こういうのってどんどん早くなるものですが、いつも以上に加速度がものすごい気がします。みんな「もっと! もっと!」という気持ちなのかもしれませんね〜。

 24. 光降る朝 (アンコール)
               From 『光降る朝』他

 そして近付いてくる鈴の音……(笑)。吉良さん、一応のラスト曲の後で足の鈴を外していかないので、戻ってくる音がわかるのです。大きなホールならばわからなくても、ライブハウスならすぐにわかります。便利で、しかもなんだか面白い(笑)。
 三度ギターを持ち、奏で始めるメロディーは……わぁ、『光降る朝』かぁ。
 ……っ!! び、びっくりしましたよ。前奏が終わった…と思った瞬間、歌い出したのはステージ上の吉良さんではなくて、隣でカメラを回していた公子さん。マイクがなくとも、会場のすみずみにまで行き渡る綺麗な声。公子さんは歌いながら、客席を促すように会場を歩きます。あぁ…なるほど。ボーカルは客席なのですね。
 そして、みんなで、合唱。殆どの方はソラで歌えますもんね。でも、そうやって、会場中で歌っているのに、公子さんの声がひとりしっかりと存在感。さすがです。吉良さん曰く、
「マイクいらず…。この声で怒られるんだからうちの息子も大変だ」
 ですって。あはははは。ですよねぇ。迫力あるだろうなぁ……。
 あー、歌った! 気持ちよかったです〜。

 25. 遠い音楽 (アンコール)
               From 『遠い音楽』他

 アンコール2曲目。元来ならここで終わりだったようです。吉良さんは会場に、
「しっとりしたのとガチャガチャしたのどっちがいい?」
 え、会場の反応で決めるんですか。うーん…困った、どっちも好きです。というか、どっちも聞きたいのですが。
「じゃあしっとりしたので」
 と言われると会場も素直なもので、「えー」「両方〜」と。…できれば是非。
 そんなわけでまずはしっとりした曲から。やっぱりライブに来たからには聞きたい、『遠い音楽』。zabadakを代表する曲だなぁと思います。

 26. easy going (アンコール)
               From 『Welcome to Zabadak』他

 そしてガチャガチャしたの……『easy going』! 大好きっ! 大好きです!! ほぼ会場参加型みたいな感じで、手拍子、コーラス、思い思いに楽しんでいるような雰囲気。もう全部出し切りました。小出しにしてきたテンションを、最後一気に爆発させた感じです。
 楽しかった! 楽しかった! 全部使い切った感じでなんだかだるいですが(笑)!



 終わって一息ついて外に出ると、19時スタートの筈が、ほぼ22時。わぁ…。そしてこの曲数。ひとりの筈なのに、普段のライブ以上の盛りだくさんっぷり。贅沢な時間を過ごしました…。
 ちなみに、今回のツアー…札幌で始まり、富良野に行き、東京、名古屋、京都へ行って最後は仙台へ。残念ながら東京のみ、ということは冒頭で触れましたが…まだ名古屋と仙台はお席に余裕があるそうな。……いいなぁいいなぁ。でも、まさにその2都市にこの1か月半で行ってしまった故に自分に余裕がないのが非常に残念です。吉良さんが冗談で「なんなら助手席に乗っていっても」なんて仰ってましたが、それで行けるなら是非(笑)。
 あー。
 ひとりzabadak。
 贅沢で、大変に楽しいライブでありました。また次回があるならば、頑張って参戦したいと思う次第でございます。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました〜!!



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