─── あるシャナ・ヒーが物語る。








〜Deir Paidir〜

序章

September 14th, 2000

★ ★ ★




 それは、遥かはるか昔のこと。
 いえ、遠いとおい明日のことだったかもしれません。
 光は世界に満ち満ち、和らぐ惑星(ほし)の影は安らぎを全ての生き物に与えていました。
 夢は果てしなく流れ、見渡す限りの緑の丘が広がっていました。
 囁く月は柔らかな鼓動(リズム)を生み出し、
 瞬く星たちは運命(さだめ)を歌い、
 その下で、世界は溢れる生命(いのち)の喜びに輝いていました。
 ……全ての生きとし生けるものの内で。
 そのころ、『人の心』は生きていました。



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